万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「世中常如」と「半手不忘」の訓義
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
津之地直一
 ふりがな
つのちなおいち
 発行年月
1960/9
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
2
 掲載頁
2431
 巻番号
11
 対象歌番号
2383
 対象歌句番号
2383-1,2383-2,2383-4
 歌作者データ

 参考歌番号
50, 675, 794, 802, 804, 904, 991, 1069, 1153, 1321, 1398, 1399, 1807, 2383, 2416, 2517, 2711, 2841, 2900, 2996, 3290, 3308, 3690, 3791, 3793, 3796, 3969, 4160, 4162, 4216, 4220, 4507
 キーワード
人麻呂歌集,誤字,ハタ,カタチ
 論文要旨
巻十一の柿本人麻呂之歌集を出典とする2383番の歌の第四句「半手不忘」の訓について論じる。第四句「半手不忘」は「千」とあるのを「手」と誤写した可能性を他の誤写から提示し、「半千不忘」とする。そして「半」を「片」の訓と通ずるとして「カタ」と訓み、「千」と併せて「カタチワスレズ」と訓むとする。この「カタチ」は「容貌」の意とする。結果、第一、二句のように「世の常」を詠む歌が多く「死」を表すことを示し、これによってこの二句を「ヨノナカハツネカクノミト」と訓み、歌意は「世の常として死は仕方ないことと思うが、やはり失った妻(恋人)の容貌(面影)は恋い慕われる」とする。また「半手」は本来「常」一字で、それが書写の過程で「半手」と二字に書かれるに至った可能性も示す。"