万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
完了の助動詞「り」と「く語法」
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
津之地直一
 ふりがな
つのちなおいち
 発行年月
1960/9
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
2
 掲載頁
95102
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
7, 16, 21, 77, 738, 755, 809, 852, 869, 1153, 1394, 1576, 1601, 1824, 1990, 2250, 3191, 3272, 3351, 3358, 3627, 3667, 3668, 3719, 3744, 3751, 3957, 4106, 4126, 4136, 4455, 4456
 キーワード
完了,助動詞,リ,ク語法,大野晋,アク説
 論文要旨
助動詞「り」は四段活用動詞には上代特殊仮名遣より、命令形に接続するとされる。だがこれは「形態上」からの解釈で、助動詞「り」は四段動詞連用形[-i]に動詞「あり」が付いた結果、[-iari]の[ia]が母音変化で乙類ёとなり、それが[-ё+ri]と解されて、助動詞「り」は四段動詞では命令形接続であると説明されていると述べた上で、「ク語法」の文法的扱いについて論じる。「ク語法」は未然形または終止形に「く」「らく」が接続したと説明されるが、語源的には動詞の連体形[-u]に[aku](所、事の意の名詞)が続き、母音連続回避の結果[-a+ku]と、形容詞も連体形[-i]に[aku]が続き[ia]が[ё]と変化し[-ё+ku]となり、その「く」が語法として抽出されたとする大野晋氏の説く「アク説」を支持する。しかし「り」「ク語法」のこの説明は、語形を対象とする現在の文法としては、従来の説明で理解して行くべきでないかと論じる。"