万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「月舟」小論
 論文サブタイトル
懐風藻「詠月一首」を中心として
 単著/共著
単著
 論者名
中西進
 ふりがな
なかにしすすむ
 発行年月
1960/9
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
2
 掲載頁
6371
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
1068, 1295, 2223, 懐風藻15, 懐風藻17, 懐風藻40, 懐風藻53, 懐風藻85
 キーワード
懐風藻,漢籍,月舟,洞冥記,文武天皇,月,萬葉集,比較文学
 論文要旨
万葉集には「月船」という語が三例あるが、従来これは懐風藻つまり漢籍と関連していると指摘されてきているが、ここでは懐風藻の詩をどのように解するべきかを考え、万葉集の「月船」の理解に及ぼうとする。万葉の「月船」は懐風藻15の「月舟」を基にするとされてきたが、この詩の「月舟」が観月のため池に浮かべた舟であり、空に浮く月を船に譬えたものでないとまず指摘する。そして万葉の「月船」は空を海に、そして月の形から船を想起したと考えられるが、中国では空を渡る物の多くは車、駕であり、船とする例を見ず、この表現は懐風藻にも見られ、現段階では万葉語「月船」の典拠を直接漢籍に求めることはできないと指摘する。ここでは明確な答えを提示できないが、従来の考えを離れ、再度検討すべき問題であると述べて終わる。"