万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
雲居に見ゆる粟島の
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
伊丹末雄
 ふりがな
いたみすえお
 発行年月
1961/3
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
3
 掲載頁
104106
 巻番号
12
 対象歌番号
3167
 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
359, 509, 1207, 1711, 3167, 3168, 3169, 3631, 3633
 キーワード
粟島,越後,序詞,大日本地名辞書,国邑志稿
 論文要旨
巻十二・3167番に詠まれる「粟島」が現在のどこの島であるかについて論じる。この歌の上三句「波の間ゆ雲居に見ゆる粟島」は四句目の「逢はぬ」を引き起こす序詞であるが、想いを寄せる娘に容易に近付くことができない譬喩もそこには込められているであろうとする。その上で、波間に目を遮る物なく、雲居まで見えながら同一方向に他の島影も見ることはできないのであり、四国や瀬戸内の島々のいずれかを言っているとは考えられないとする。そこで、新潟県の粟島をこの歌の「粟島」と比定する。日本海に浮かぶこの島ならば、情景的にも容易に近付くことが叶わないという歌意から見ても適っていると論じる。また、このことを指摘するものとして大日本地名辞典に国邑志稿の論があるとする。"