万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「宇能花乃五月乎待者」
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
澤瀉久孝
 ふりがな
おもだかひさたか
 発行年月
1961/3
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
3
 掲載頁
101102
 巻番号
10
 対象歌番号
1975
 対象歌句番号
1975-3,1975-4
 歌作者データ

 参考歌番号
1953, 1974, 1975, 4066, 4089
 キーワード
五月,藤,卯の花,薬玉,萬葉拾穂抄,萬葉集古義,萬葉考
 論文要旨
1975番の「卯の花の五月を待てば」の解釈について”準随想”として記されたもの。拾穂抄には「五月を待ちかねて、卯の花が薬玉の様に咲く」の意と記されているが、「五月に咲く卯の花を待ちかね」と「の」を連体格助詞と捉える考え方が多い。これについて、萬葉の歌では卯の花は旧暦四月に咲くものとされていたらしく、また実際に現在の暦に照らしても咲くのは五月で、やはり旧暦では四月に当たり、この「の」は主格を表すものと解すべきとする。その上で萬葉考の倒置の考えを示し、拾穂抄の見方が当たっており、「卯の花のさきの方がまるく撓んで、こんもりと球状に花を綴ってゐるのを、大きな薬玉に見立てて、『玉をぞぬける』と詠んだのである。」という佐佐木評釈を引用する。"