万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
高市黒人作中の「桜田」について
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
加藤静雄
 ふりがな
かとうしずお
 発行年月
1961/10
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
4
 掲載頁
7278
 巻番号
3
 対象歌番号
271
 対象歌句番号

 歌作者データ
高市黒人
 参考歌番号
58, 270, 271, 272, 276, 919
 キーワード
高市黒人,桜田,新考萬葉集,井上通泰,和名抄,尾張氏,年魚市潟,東海道,熱田,鳴海
 論文要旨
高市黒人の巻3・271には桜田と年魚市潟が詠み込まれるが、その所在地の特定と黒人との位置関係について考察を加える。桜田はサクラの地にある田のことで、サクラは現在の名古屋市南区の笠寺台地で、その低地部分が桜田と推定する。また年魚市潟は従来、熱田神宮の西南の地とされていたが、それでは歌の意に合わないことを指摘し、その笠寺台地と鳴海台地に挟まれた、後に鳴海潟といわれた一帯であるとする。黒人は鶴の飛び行くことで、年魚市潟の潮の干いたことを「らし」と推量するが、それは黒人が東からやって来て、これから進む先に年魚市潟、桜田があることを示すものと考えられ、歌の上からも先に推定した位置関係に符合すると論じる。"