万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
近江の荒都を過ぎし時の歌
 論文サブタイトル
人麻呂の発想
 単著/共著
単著
 論者名
加藤静男
 ふりがな
かとうしずお
 発行年月
1962/7
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
5
 掲載頁
6472
 巻番号
1
 対象歌番号
29, 30, 31
 対象歌句番号

 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
28, 29, 30, 31, 32, 33, 115, 235, 266, 287
 キーワード
柿本人麻呂,天武天皇,持統天皇,壬申の乱
 論文要旨
人麻呂の近江荒都歌(巻1・29〜31)の作歌事情を、壬申の乱と関わらせて論じる。29番歌には「いかさまに思ほしせめか」という句が確認できるが、これは当該歌以外は挽歌にのみ見られる語であることから、挽歌としての性格を持つ可能性を指摘し、ではそれは誰に対するものかが問題になるが、それは持統天皇に献呈された持統の父天智天皇のための挽歌とする。今日、壬申の乱の意味づけは様々に行われてはいるが、当時の多くの人々(人麻呂他)には既に過ぎた過去の出来事として認識されていたために人麻呂は素直に哀惜を表現し得たのであり、近江朝を滅ぼした当事者の一人持統に対しての歌、公式の歌として採録されていると指摘する。"