万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「筑波嶺の新桑繭」の問題
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
松田好夫
 ふりがな
まつだよしお
 発行年月
1962/7
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
5
 掲載頁
1016
 巻番号
14
 対象歌番号
3350
 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
1091, 2495, 2991, 3258, 3350
 キーワード
東歌,常陸国,養蚕,民謡,和名類聚抄
 論文要旨
巻14・3350二句目「爾比具波麻欲」(新桑繭)は家繭(養蚕)と野蚕(山繭)との解釈に分かれたままになっているが、これがどちらに解されるものかについて論じる。この歌の意は新しい絹で織ったどんな良い衣よりも愛する男の衣が欲しい、つまり男の愛情が欲しいとの相聞の歌に解されるべきとする。またこの歌の初句は「たらちねの」との異伝を持つ。これは筑波山麓で歌われたものが、養蚕という場所とは関しないものによって伝誦された結果であるとする。古代、養蚕と母との関係が強かったことは「たらちねの母が養う蚕の」等の歌があることから明らかとする。野蚕は(新)桑を餌としないということもあって、以上三点から家蚕と解されるとする。"