万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
この川に朝菜洗う児
 論文サブタイトル
「余知」の考
 単著/共著
単著
 論者名
加藤静雄
 ふりがな
かとうしずお
 発行年月
1963/6
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
6
 掲載頁
3843
 巻番号
14
 対象歌番号
3440
 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
804, 3307, 3309, 3361, 3438, 3440, 3459, 3465, 3483, 3484, 3494, 3791, 4431
 キーワード
東歌,隠語,鴻巣盛広,武田祐吉,貴族,農民
 論文要旨
3440番の歌は二句目と五句目に「児」という語を持ち、その「児」の指す所を諸注釈、解釈に苦心している。『万葉集総釈』他では二つの「児」を同一の娘と捉え、『全註釈』他ではそれぞれを母とその娘として解している。しかしながら、両者共に歌の理解が判然としない所を有している。そこで四句目の「余知」に注目し、これに新しい解釈を提示する。「ヨチ」とは「同年輩の子」という意を持つが、鴻巣盛広『万葉集全釈』はここに「同年輩の若い男女から転じた隠語」としての使用を指摘する。東歌の民謡性さらには、東歌には性愛を謡った歌も見られるという点からしても「ヨチ」を隠語として解する可能性は十分にあるとし、娘の性器を指しての面白さをはらんだ歌とする。"