万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「東細布」と「横雲」
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
吉井巌
 ふりがな
よしいいわお
 発行年月
1963/6
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
6
 掲載頁
2026
 巻番号
11
 対象歌番号
2647
 対象歌句番号
2647-1
 歌作者データ

 参考歌番号
15, 324, 377, 420, 584, 677, 688, 698, 766, 1075, 1406, 1801, 2026, 2063, 2317, 2451, 2454, 2647, 2896, 3513, 新古今37, 新古今38, 新古今501, 紫禁和歌集15, 土御門院御集247, 為忠集51, 道助法親王家五十首701, 院四十五番歌合建保三年17, 新直線和歌集17
 キーワード
訓点,新点,仙覚,東国,延喜式,新古今和歌集,横雲,枕草子
 論文要旨
2647番初句「東細布」は「ヨコグモノ」と訓すること多く、諸註釈も多くそれに従う。だが「横雲」という語を歌に見た時、この語は十二世紀以後の和歌にしか見ることができず、その訓を否定する。そして、「細布」に着目すると東国が布の産地であることが延喜式から知られ、この「東」は東国と布が結び付きを暗示するものと説明する。上二句は三句目「遠し」を導くものであるから、その小高い丘に晒された布が二句目の「空」へと続く様子を捉えた場合、それは「遠い」を導く表現として許容されると説く。結果「シキタヘヲ」又は「シロタヘ」の訓を提示する。「ヨコグモ」の訓は枕草子初段の享受の結果生まれたもので、仙覚のこの訓の採用はその現れと指摘する。"