万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
あらたまの『きへ』の原義
 論文サブタイトル
古代思惟の探求
 単著/共著
単著
 論者名
賀古明
 ふりがな
かこあきら
 発行年月
1964/6
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル
萬葉研究連合大會特輯
 発行所
美夫君志会
 発行番号
7
 掲載頁
158170
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
880, 881, 882, 2391, 2530, 3000, 3276, 3352, 3354, 3393, 3767, 3925, 4124, 記28
 キーワード
あらあまの,枕詞,遠江国,古代思惟,荒魂,説文,古事記,延喜式.尾張国熱田大神宮縁起,霊魂信仰,神功皇后,日本書紀
 論文要旨
「あらたまのきへ」は、それを有する歌が恋情意表現歌である以上、恋情意表現に連なる意義を有するとして基本意が解されるべきと指摘する。まず「あらたまの」の語構成を「荒魂」とみ、この「荒魂」は外来する魂の来訪を意識し、それにより幸―希求意の結果(恋情歌の場合は両者が逢うこと)が実現すると願望した一般的思惟の現れと論じる。それに伴い「伎倍」「寸戸」と表記される「きへ」は「来経」と解されるべきと論じる。また「あらたまの」が「とし」に多く続くのは、元来「とし」とは「実り」の意で、農耕民族の本来的な幸が秋の実りにあり、それが実りを表す「年」が「歳」と表記された時、時間経過だけが意識された結果であるとする。"