万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
君が名はあれど吾が名し惜しも
 論文サブタイトル
「はあれど」非反戻の説
 単著/共著
単著
 論者名
川上徳明
 ふりがな
かわかみのりあき
 発行年月
1964/6
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル
萬葉研究連合大會特輯
 発行所
美夫君志会
 発行番号
7
 掲載頁
5972
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
93, 749, 992, 3591, 4006, 古今189, 古今546, 古今656, 古今889, 古今1088, 千載231, 続古今570, 続後撰278, 続千載509, 新後撰1008, 新続古今398, 新続古今1840, 新千載1609, 拾玉集571, 壬二集944, 千五百番歌合1619, 宝治二年百首3777, 長能集140, 長能集142, 成通卿集29, 仏足石歌15, 古今六帖1801, 雪玉集4214, 拾遺愚草1963, 拾遺愚草2296, 拾遺愚草員外317, 建保名所百首122, 建保名所百首549, 南朝五百番歌合389, 夫木和歌抄6210, 寂然法師集90, 山家集340, 東遊歌8, 頼政集180,
 キーワード
助詞,はあれど,こそあれ,語法,佐伯梅友,反戻表現,萬葉集古義
 論文要旨
古代語の語法の中で「〜はあれど」が反戻表現と解することの是非について論じる。これを反戻表現としたのは佐伯梅友氏に始まるが、これについて用例を萬葉に限らず鎌倉・室町時代の歌にまで求め、佐伯氏が「〜はあれど」と対比させた「こそあれ」がその傍証になりえないことを示す。また当該表現を持つ歌に見られる「は」「も」の両助詞の一般的差異も論拠とすることは出来ず、検証した用例の中には反戻と解せず、同義と想定すべきものも多数あるとする。そして、歌意から反戻としか解しえないものは存在しないと、反戻表現と解してきた従来の説を否定する。そして、この「〜はあれど」は一つの慣用句で、「一往それをそれとして認めた上で、他を強調する形式」と結論づける。"