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論文要旨 |
| 人麻呂作歌は多くの或本歌、異伝を持つ。これを人麻呂の推敲の結果によるものでないかと考え、その理由について、異伝の現れ方を他の推敲過程を示す異伝を持つ作家との比較などを手がかりに、巻1・2の性質や編纂法・人麻呂歌の発表・伝承の機会等との関連において考察する。まず歌の持つ公的私的な性格に注目する。まず私的な歌、石見相聞歌などは、披露されたのが一度に限られず、その度毎に詩句を推敲し披露されたと考え、異伝はその現れとみる。また公的な歌にも異伝があるのは、公的な歌は、多くがその披露されたのは献呈挽歌や行幸歌などの様に一回限り(異伝部分)ではあったが、後に人麻呂が手を加えた披露されたものとは異なる詩句(本文部分)をも編纂者が併記した結果、異伝が残ったとする。"
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