万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「路行人事告無」の訓釈について
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
久米常民
 ふりがな
くめつねたみ
 発行年月
1965/3
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
8
 掲載頁
717
 巻番号
11
 対象歌番号
2370
 対象歌句番号
2370-4,2370-5
 歌作者データ

 参考歌番号
1, 109, 362, 509, 583, 590, 800, 1726, 1740, 1800, 2006, 2370, 2401, 2407, 2441, 2497, 2506, 2507, 2531, 2613, 2639, 2696, 2700, 2710, 2747, 3076, 3080, 3177, 3285, 3318, 3336, 3339, 3374, 3425, 3469, 3488, 3730, 3780, 4011, 記77, 新古今232
 キーワード
澤瀉久孝,古写本,本居宣長,万葉集古義,民謡,夕卜,卜占,言霊信仰
 論文要旨
2370番の歌の四、五句目の訓について論じる。従来は四句を「ミチユクヒトノ」、又は「ミチユクヒトニ」とし、五句目は「コトモツゲナク」と訓ずる。しかし、万葉集私注が「道行く人」の意味を道卜と見ることを評価し、下の句「路行人 事告無」を道卜、夕卜として訓を考えるべきことを説く。そのように考えるならば、万葉集中では占卜に関しては、多くその発言行為は「ツグ」ではなく「ノル」とされていることを指摘し、「告」を「ノル」と訓むことも可能とし、結果「路行ク人ノコトモノラナクニ」と訓ずる。歌の意としては、男の訪れを明らかにはもちろん、占いにさえ見ることができない待つ女の、男をつれなく思う心情が詠み込まれていると指摘する。"