万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
楯並めて泉の河の戦ひ
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
山崎馨
 ふりがな
やまざきかおる
 発行年月
1965/3
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
8
 掲載頁
1722
 巻番号
17
 対象歌番号
3908
 対象歌句番号
3908-1,3908-2
 歌作者データ
境部老麿
 参考歌番号
2642, 3593, 3907, 3908, 4320, 記4, 記14, 記86, 記102, 紀3, 紀12, 紀19
 キーワード
境部老麿,恭仁京,枕詞,日本書紀,崇神紀,契沖,万葉代匠記,厚顔抄,万葉古義,古事記,母音交代,橘守部,本居宣長
 論文要旨
巻17・3908の一句目枕詞「楯並而」は「伊豆美乃河波乃」の「伊」つまり「射」に掛かると解されている。しかし崇神紀から「伊豆美乃河波(泉の河)」はもと「挑河」であったことが窺え、代匠記・厚顔抄、古義は「楯を並べ互いに挑む」ことから「楯並而」が「挑河」に掛かるとし、紀歌謡12の神武天皇の歌と万葉3908の歌とは異なる掛かり方をすると説く。その理由を音韻的に「いど(オ列甲類)み」が、伝承過程で「いず(ウ列)み」へと母音交替したためと説く。また「たたかふ」の語源を、従来は「たたきあふ」の音約、また「タタク(敲)の連続」のハ行延音とするのを、『大言海』、橘守部『稜威言別』の説を支持し、「楯」の被覆形+「交(か)ふ」とみる。"