万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「月の船」漂流記
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
山崎馨
 ふりがな
やまざきかおる
 発行年月
1966/1
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
9
 掲載頁
99102
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
1067, 1295, 2223, 3831
 キーワード
月の船,柿本人麻呂歌集,漢籍,懐風藻,シルクロード,ササン朝ペルシャ,仏教美術,長忌寸意吉麻呂,正倉院,西域,キリスト教美術,聖母マリア,イラン,三日月,半月,美術史
 論文要旨
万葉集に「月の船」という語が確認できるが、漢籍に典拠といえる程の用例を見ない。もっとも「月の船」ということから、一般に三日月や半月が船に見立てられたものといえよう。そこで中国からさらに西へとシルクロードを辿るならば、ササン朝を中心とするイラン系民族には抽象化された三日月を象った王冠などが確認でき、それが仏教美術と相まって中国さらには日本へともたらされ、それが「月の船」の発想の源となったのではと推測する。長意吉麻呂の3831番の歌の「白鷺の木を啄ひて飛ぶ」には、正倉院に残る金銀平脱花鳥八角鏡の盤面に見られる文様等が基になっているのではとし、西域の美術が万葉集の歌にも様々な影響を与えているとする。"