万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
古代文学に現れた「血」の意識
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
市村宏
 ふりがな
いちむらひろし
 発行年月
1966/12
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
10
 掲載頁
8088
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
1110, 2668, 3395, 3603, 古今1092, 後撰684
 キーワード
血,月経,播磨風土記,古事記,朝野羣載,古今和歌集,後撰和歌集,風雅和歌集,竹取物語,源氏物語,原始信仰,仏教,本居宣長,橘守部
 論文要旨
現代、血には様々な意味が付与されているが、多分に汚れ、忌み嫌われるものとしての感がある。だが播磨風土記讃容郡の条に鹿の生き血に籾を浸し、一夜で苗となった話があるが、これは生命力の現れを意味し、また古事記中のカグツチの血から雷神や龍神等が化成していることは、血に排泄物や肉体諸部から神が成るのとは異なる考えがあったためとする。また月経にしても、サワリ・ケガレと見るのは儒教、仏教の影響であり、朝野羣載では天然痘の治療に「月汁、月布を用いよ」ともあり、これは古代では血に生命力を認めていたあらわれである。竹取物語等で「月の貌を見るはいむこと」とするのも、平安時代には先の様な古代の原始信仰が薄れ、忘れ去られていたためであろうと論じる。"