万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
柿本人麻呂の表記にみられる「良珠」をめぐって
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
竹尾正子
 ふりがな
たけおまさこ
 発行年月
1966/12
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
10
 掲載頁
6577
 巻番号
1
 対象歌番号
38
 対象歌句番号
36-24,36-25,36-26
 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
36
 キーワード
柿本人麻呂,古訓,古写本,古葉略類聚鈔,表記,成語,漢語,出典,典拠,漢籍,韓詩外伝,藝文類聚,常陸風土記,万葉集新解,武田祐吉,澤瀉久孝,吉沢義則,大野透,小島憲之
 論文要旨
巻1・36番の歌の「弥高思良珠 水激 滝之宮子波」の異同及び訓釈について論じる。まず、訓は武田祐吉『万葉集新解』の訓に従うべきとし、その立証を第24句「弥高思良珠」の表記から試みる。人麻呂の表記が多く漢籍の成語によっていることを例をあげた上で、当該句「良珠」も『韓詩外伝』に依るものであるとする。典拠と見なされる箇所は、「水」に関連する箇所であり、当該歌も「滝之宮子」を讃美するもので、また「川」「河」「滝」「水激」などの字面も見え、つまり水に関わるものからの聯想的用字法とみる。結果「イヤタカシラス ミナギラフ タキノミヤコハ」と訓じ、「此川乃絶事奈久」と「此山乃弥高思良珠」が対句となって「滝之宮子波」を修飾するとみる。"