万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
志賀白水郎歌
 論文サブタイトル
その一首の歴史的背景
 単著/共著
単著
 論者名
林田正男
 ふりがな
はやしだまさお
 発行年月
1967/12
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル
第二回萬葉研究連合大會記念特輯
 発行所
美夫君志会
 発行番号
11
 掲載頁
2331
 巻番号
16
 対象歌番号
3862
 対象歌句番号

 歌作者データ
山上憶良
 参考歌番号
50, 3232, 3331
 キーワード
笠井清,釜田喜三郎,高木市之助,犬養孝,福田良輔,沢瀉久孝,渡瀬昌忠,川口常孝,倉野憲司,吉永登,折口信夫,宗祇,貝原益軒,武田祐吉,扇畑忠雄,志賀山の伐採,観世音寺造営
 論文要旨
志賀白水郎歌の中の一首である万葉集巻十六・三八六二の歴史的背景に関して考察する。本稿は志賀の山の伐採について、「歌そのものは伐採されつつある現実の志賀の山を契機として生まれた」とする高木市之助氏の説に賛同し、その伐採とは、大宰府に官寺として建立されつつあった観世音寺の造営の為に筑紫地方の方々の山々で行われていた伐採であろうと推定する。そして、志賀山で伐採された材木は博多湾に注ぐ那珂川を遡り、那珂川と三笠川の合流地点から更に三笠川を遡り大宰府まで運ばれたであろうことを述べて、一首の背景には、朝廷が社会秩序の確立や民生の安定をはかろうとした観世音寺造営という歴史的事実があったことを論じている。"