万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
憶良の漢語表現
 論文サブタイトル
「為天不幸」
 単著/共著
単著
 論者名
小島憲之
 ふりがな
こじまのりゆき
 発行年月
1996/10
 発表雑誌名
美夫君志
 特集タイトル

 発行所
美夫君志会
 発行番号
53
 掲載頁
14
 巻番号
5
 対象歌番号
886
 対象歌句番号

 歌作者データ
山上憶良
 参考歌番号

 キーワード
為天不幸,為,某の為に…す,天,父,母,漢語表現,芳賀紀雄,河村秀根,清原宣賢,D21271崑玉,朝聘甫,礼記,喪服小記,喪葬令,毛詩,D39596風,柏舟,毛伝
 論文要旨
「為天不幸」は、万葉集の諸注において「天に幸あらず」(日本古典文学全集)などとみえ、「為」は不読の助字とされるけれども、『礼記』喪服小記や「喪葬令」に「某の為に…す」とあることから当該例も「ために」と解するべきである。「天」に関しては、仲哀紀に「父是天也」とみえ、『書紀集解』が「儀礼喪服伝曰、父者子之天也」を例証として挙げる。さらに『毛詩』の「母也天只」に「毛伝」が「母也天也…天ハ謂父也」と注をつけており、これらにより、「父」は「天」をさし、「母也天也」は「母」をもさすことになる。よって、「為天不幸」は「父母の為には不幸なことが起り」の意となると説く。"