万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
巻十六「饌具雑器」をめぐつて
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
橋本四郎
 ふりがな
はしもとしろう
 発行年月
1952/1
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
2
 掲載頁
1822
 巻番号
16
 対象歌番号
3824
 対象歌句番号

 歌作者データ
長忌寸奥麻呂
 参考歌番号
3512, 3817, 3825, 3830, 3832, 3839, 3853
 キーワード
狐聲,亀井孝,饌具,雑器,物名の技巧,櫃,器
 論文要旨
3824番歌は左注の「饌具雑器狐聲河橋」を即興的に詠み込んだものである。「狐聲」は従来「狐」と解されてきたが、亀井孝氏の論に従い、「狐聲」がコムにあたり、「来許武」は「来」をコムと訓ませるための注記であることを確認する。次に「饌具雑器」は一連の熟語ではなく、別々の熟語であるとする。「刺名倍」は飲食に関係した道具であるから「饌具」に対応する。「雑器」の方も、コムと同様に物名的技巧を用いており、第三句のイチヒツノのヒツ(櫃)が対応すると指摘する。これらの点から、通常古今時代の発生とされている物名の技巧が、万葉時代に完全な成長を遂げていたと考える。"