万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
或本反歌二首(424 425)小考
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
内田曉郎
 ふりがな
うちだあきお
 発行年月
1952/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
3
 掲載頁
3137
 巻番号
3
 対象歌番号
424, 245
 対象歌句番号

 歌作者データ
山前王
 参考歌番号
923, 1012, 3596
 キーワード
或本,題詞,左注
 論文要旨
「或本反歌二首」とある巻3・424,425番歌は長歌423に対する反歌であり、「或本」の反歌とする諸伝は誤りとする説をふまえて長、反歌のあり方を検討する。長歌は第5,6句「おもひつつ通ひけまく」の通った先を女のもとでなく、藤原宮とて、宮仕人の作者と石田王の親近性を重視し、題詞に基づいたを解釈するが、一方の反歌は、初二句「河風の寒き泊瀬を」が結句「逢うへや」にかかる時に生じる曖昧さが左注によって解明されるとする。この対立する両者の成立事情について、作者山前王は反歌二首を作った後長歌を作成したが、伝誦されるに従い、同時作歌と解されるに至って、各歌の本意の不均衡さから「或本」の所伝が生まれたと述べる。"