万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
旅行きも之思良奴君
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
関守次男
 ふりがな
せきもりつぐお
 発行年月
1954/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
11
 掲載頁
4547
 巻番号
17
 対象歌番号
3930
 対象歌句番号
3930-4
 歌作者データ
大伴坂上郎女
 参考歌番号
95, 466, 794, 905, 2091, 3152, 3676, 4078
 キーワード
之思良奴,見知らぬ,爲知らぬ,誤写説,之,衣,得知らぬ
 論文要旨
巻17・3930,第4句の「之思良奴」は、動詞「知ら」の上に、動詞「爲」の連用形である「し」がついたものと考え、「爲知らぬ」と訓むのが通説となっている。しかし、「知る」がその上の語と対等に連なった「見知ら」のような例が集中に多く見られるのに対し、「爲知ら」のように「知る」の上にその目的を表す語のくる例は、他に二例しかなく、さらに「旅行きも爲知らぬ」と続けて考えてみると、その二例と比較して回りくどい言い方であることを指摘する。そこで、「之」を「衣」の誤写とみる誤写説を提示し、訓を「えしらぬ」、意を「得知らぬ」と改める。"