万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「紀之許能暮之」考
 論文サブタイトル
本文遡原の一つの試み
 単著/共著
単著
 論者名
井手至
 ふりがな
いでいたる
 発行年月
1954/10
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
13
 掲載頁
2229
 巻番号
10
 対象歌番号
1875
 対象歌句番号
1875-2
 歌作者データ

 参考歌番号
1875, 1890, 2279
 キーワード
訓詁,本文復元,誤写,和歌童蒙抄,賀茂真淵,萬葉考,仙覚,仙覚抄,古点,新点,古写本,伝本,類聚古集,紀州本,西本願寺本,大矢本,京大本,元暦校本,井上通泰
 論文要旨
巻10・1875番の歌の二句目「紀之許能暮之」の訓について論じる。当該箇所は諸本文字には異動は確認できない。一方訓には、様々な説が展開されている。そこで諸本三句目及び異伝に、文字の異動が認められる類聚古集を手掛かりとし、「紀之許能暮多夕月夜」という形を導き出す。だが、この形からも妥当な訓を導き出せないため、本文溯源の客観的な説明範囲を超えるものと慎重な態度を示しながらも仮説を提示するべきと考え、巻10・2279番の歌の異文混入の例を引き、正文と異伝の混入「許能暮多」、「紀之暮多」という二句混入し、その上で複数回の誤写が重なり現在の本文を作り上げたとする。結果として「コノクレオホミ」という訓を提示する。"