万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「青雲の星離れゆき月を離れて」
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
澤瀉久孝(沢瀉久孝)
 ふりがな
おもだかひさたか
 発行年月
1954/10
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
13
 掲載頁
1321
 巻番号
2
 対象歌番号
161
 対象歌句番号

 歌作者データ
持統天皇
 参考歌番号
28, 94, 150, 214, 287, 428, 794, 880, 886, 1202, 1629, 2126, 2136, 2368, 2513, 3188, 3309, 3329, 3346, 3412, 3420, 3480, 3515, 3539, 3569, 3578, 3600, 3601, 3622, 3688, 3691, 3969, 4008, 4011, 4106, 4403, 古今集529, 貫之集804, 曾丹集453
 キーワード
向南山,カムナミヤマ,カムナヤマ,キタヤマ,向南風,北風,山陽,誤字,カツラギニ,小島憲之,毛詩,陽,陰,陳,陣,ツラナル,タナヒク,蒙,青雲,吉井巖(吉井巌),粂川定一,石丸雄吉,の,月矣,月牟,月毛,ツキヲ,ツキモ,去,ユク,ユキ,佐伯梅友,離,サカリ,ハナレ,ワカレ,離居而,放居而,ハナレヰテ,サカリヰテ,サカル,サル,カル,放,サク,ハナツ,離小島,ハナレコジマ,ハナル,はなる,さかる,濱田敦(浜田敦),歌語
 論文要旨
天武天皇崩御時における持統天皇の御製と伝えられる巻2・161について、第一句「向南山」、第二句「陳」の訓の決定を行い、第三句「青雲」に関して、この語が中国文学の影響によっており、第二句の雲と同一のものと見るべきことを明らかにした。この「青雲」の理解によって、直下の「の」が主語につく助詞であることを導き、さらに、この「の」の理解と相呼応する第五句「月矣離而」の訓について検討を加え、その結果によって第四句「去」の訓をも決定する。また、歌中に見える二つの「離」の訓について、詳細な考察を行い、共にハナレと訓むべきことを究明した。以上の考察により、一首に解釈を施し、当該歌の文字の表記や語句には、従来の指摘にあるように中国文学の影響が認められるが、一首を貫く作意と声調とは、上代らしい姿を示しており、同作者の巻1・28と相通ずることを指摘した。"