万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「毛無乃岳」の訓
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
春日政治
 ふりがな
かすがまさじ
 発行年月
1955/10
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル
解釈特集号
 発行所
萬葉学会
 発行番号
17
 掲載頁
3032
 巻番号
8
 対象歌番号
1466
 対象歌句番号
1466-4
 歌作者データ

 参考歌番号
1506
 キーワード
毛無,ナラシ,ケナシ,奈良思,辰巳利文,アイヌ語,永田方正
 論文要旨
巻8・1466の第4句の「毛無」は、古訓にナラシとあって、今も定訓のようになっている。巻8・1506に「奈良思」という地名があり、そのナラシと同一地を指すものと考えられたらしいが、「毛無」を「不毛の」義の用字とする理由づけには苦しいものがあり、また京大本の赭訓にケナシとあること、『八雲御抄』が「ならしの岡」と共に「けなしの岡」を別地として挙げること、生駒郡三郷村に伝わる旧名にケナシ及びケナシの岡のあることから、「毛無」と「奈良思」とは異名であり、別地であるとする。さらに、ケナシが林をいうアイヌ語(kenash又はkenashi)の系統を引き、もと森林のあった地の称呼とする方が、踏みならした「不毛」の義とするよりも、霍公鳥の来鳴く地により適切であると論じる。"