万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
序詞の源流
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
土橋寛
 ふりがな
つちはしゆたか
 発行年月
1956/10
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
21
 掲載頁
122
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
22, 88, 468, 551, 580, 1031, 2241, 2736, 2746, 2772, 3407, 3559, 3908, 3961, 4503, 4516, 記1, 3, 13, 24, 35, 52, 57, 58, 61, 64, 79, 90, 92, 93, 94, 96, 101, 102, 104, 詠歌一47, 48, 72
 キーワード
序詞,寄物沈思歌,即境的景物,嘱目の景物,宮城県糸繰歌,田草取歌,秋田県田草取歌,山形県草刈歌,千葉県上総甚句,東京都雑謡,京都府茶摘歌,雑謡,盆踊歌,米搗歌,兵庫県機械節,福岡県木挽歌,愛知県木遣音頭
 論文要旨
和歌の歌学、歌論では、ある語を引き起こすための形式的な修辞法とされる「序詞」について、万葉集における理解を求め、序詞本来の性格、その源流は何かを探る。序詞・本旨の接続関係の検討により、序詞は元来、心情の修辞的表現形式というより、寄物沈思的表現形式であり、はじめに即境的景物や嘱目の景物を提示し、それにひっかけて沈思部に転換してゆく発想形式というべき性格をもつと考える。さらに「場所+景物」の形式による即境的景物の提示の源流を遡って記紀歌謡や各地の民謡などの長短歌に序詞の根元的性格を追求。序詞は「場所+景物」の形式と即境的景物という基本的性格を中心として、長歌形式の宮廷寿歌において基礎を堅めたが、その起源は短歌形式である民間の寿歌に発していることを指摘する。また歌が集団的場から離れて独詠的の抒情詞へと発展する過程で、序詞は即境的発想から嘱目発想へさらに心情の具体的表現へと展開し、変質的発展を遂げてきたこと述べる。"