万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
嬬の命のたたなづく柔膚
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
大野保
 ふりがな
おおのたもつ
 発行年月
1957/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
24
 掲載頁
5758
 巻番号
2
 対象歌番号
194
 対象歌句番号
194-10
 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
196
 キーワード
嬬乃命,泊瀬部皇女,河島皇子
 論文要旨
194番歌の「玉藻なす」以下の句についてはさまざまの議論があり、「嬬乃命」が泊瀬部皇女と河島皇子のいづれを指すかも明確にはされていない。諸説を検討した結果、「命乃」の「乃」を「柔膚」につづく連体格とばかり考えている点に誤解があったとする。この「乃」を連体格ではなく、「身に副へ寝ねば」の主格と見て解すれば、嬬の命、すなわち河島皇子が皇女の柔膚を身に副えて寝ないから、皇女の夜床は荒涼としているだろうということになり、矛盾なく一首を解することができると考える。"