万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
龍田山と狭岑島
 論文サブタイトル
人麻呂に於ける神
 単著/共著
単著
 論者名
木下正俊
 ふりがな
きのしたまさとし
 発行年月
1957/10
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル
人麻呂特集号
 発行所
萬葉学会
 発行番号
25
 掲載頁
3843
 巻番号
2
 対象歌番号
220, 221
 対象歌句番号

 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
38, 167, 415, 426, 1800, 紀104
 キーワード
行路死人,片岡説話,旅人神,フレイザー,松村武雄,個人的な抒情,伝承咒縛からの解放
 論文要旨
220、221番歌は人麻呂が名も知らぬ旅人の死を傷んだ挽歌である。416番歌も同様に行路死人を詠ったもので、推古紀にこの短歌に改修されたと考えられる歌謡がある。その前後の記述から、古代における旅人神の信仰を指摘する。しかし、狭岑島の人麻呂の歌や龍田山の聖徳太子の歌は、死人を神として尊んだのではなく、その死人や家族に対する人間的な同情のみを抒情する。このようなことはこれらの歌ばかりではなく、万葉集、記紀歌謡の一部に共通して見られることで、すでに古代の伝承咒縛からほとんど解放されていたと考えられる。"