万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
奈良遷都途中の歌について
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
吉水登
 ふりがな
よしながみのる
 発行年月
1958/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
27
 掲載頁
2530
 巻番号
1
 対象歌番号
78
 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
626, 723, 969, 992, 1557
 キーワード
古郷,故郷
 論文要旨
巻1・78の作歌事情について、第2,3句「明日香の里を置きて往なば」より、飛鳥から藤原宮に遷都のあった時の歌で、題詞「藤原宮より寧楽宮に遷りし時」とあるのは誤りとする説に対し、題詞、左注の在り方を考証しつつ、解釈を施す。作者について、巻1では諸天皇作の歌は「御製」「御製歌」とし、皇子等は「御歌」「御作歌」として作歌者記載法に区別があるものの、当該歌は編纂過程の問題により、これにはあてはまらないとし、左注「太上天皇御製」に着目、歌の内容が女性作歌である点と併せて「元明天皇」と推定し、同天皇との関わりにおいて、下二句「君があたり」は亡夫草壁皇子の旧居、島宮とする。また、題詞「古郷」は集中の用例より飛鳥の地を指すものとする。当該歌は元明天皇の、藤原宮遷都後もなお、見ていた飛鳥の地を離れ、寧楽宮へ遷都することへの苦しみを表現した歌であると述べる。"