万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「耆矣奴」考
 論文サブタイトル

 単著/共著
共著
 論者名
加地伸行,小島憲之
 ふりがな
かじのぶゆき,こじまのりゆき
 発行年月
1959/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
31
 掲載頁
5254
 巻番号
16
 対象歌番号
3885
 対象歌句番号
3885-51
 歌作者データ

 参考歌番号
1740, 3832
 キーワード
耆矣奴,オイハテヌ,オイタルヤツコ,武智雅一
 論文要旨
巻16・3885「耆矣奴」の訓について、オイハテヌ、オイタルヤツコの二訓が一般に行われており、後者の方が有力となっているが、禮記(曲禮上)の「六十日耆、指使」に対して、禮記新義疏に「耆、至也、至老境也」とあり、この「至老境也」が、「老ゆ」の方向を示す注であると理解できること、また「矣」が「D8747」の「止み盡くる」の義と「矢」の「飛んで行って、一定の場所に止まる」の義との意味が重なり合って生まれた会意の形声文字であり、そこに完了や過去の意が含まれていることから、「耆矣」はオイハテヌと翻訳し得、さらに「奴」が、表記者が相手に誤解なくよませるために更に付加した助動詞「奴」であることを指摘し、「耆矣奴」の訓をオイハテヌと定めた。"