万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「八船多氣」をめぐって
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
西宮一民
 ふりがな
にしみやかずたみ
 発行年月
1959/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
31
 掲載頁
1217
 巻番号
7
 対象歌番号
1266
 対象歌句番号
1266-3
 歌作者データ

 参考歌番号
123, 211, 1251, 4154, 4117, 記23, 63, 紀56
 キーワード
彌,八,ヤ,イヤ
 論文要旨
巻7・1266第三句「八船多氣」について「八(や)」は、多数の意で多くの船の意とする説と「彌(いよいよ)」に由来し、「船を漕ぎ出す」に係ると見る説がある。彌(イヤ)を約言した「彌(ヤ)」は用言に接頭語的に直接し、「八(ヤ)」も同様に体言の接頭語となることを指摘して類似性を述べる。一方「彌(イヤ)」が時に関する語(体言)や、体言を隔てて次の用言を修飾する特徴を捉えて、「彌(ヤ)」「八(ヤ)」二語を「彌(イヤ)」より派生するものと考案する。従って「や+体言+用言」の形式をとる当該句の「八船」は「八(ヤ)」に相当し、多くの船と解する。また同様に仁徳記歌中の「ヤガハエナス」景行記の「ヤツメサス」の「ヤ」についても「八」「彌」の別にふれつつ意味づける。"