万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
宇麻宇知牟禮底
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
須田善四郎
 ふりがな
すだぜんしろう
 発行年月
1959/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
32
 掲載頁
2429
 巻番号
17
 対象歌番号
3993
 対象歌句番号
3993-14
 歌作者データ
大伴池主
 参考歌番号
263, 715, 904, 1720, 3536, 4154, 4253
 キーワード
うち,群れ,うち群る
 論文要旨
巻17・3993番歌の第14句目「宇麻宇知牟禮底」は従来馬を目的格に置き、これを承ける「うち群れ」は「うち」を接頭語とする、他動性の、使役相の一語と考えられてきたのに対し、紀記万葉以来自動詞である「群る」の語性上、目的格をとるものではなく、語義の点からも、並立感、連繋感とは異なると指摘。「馬うち群れて」の構造を分析し、「うち群れ」はこれを一つの派生語とする1720番歌の例とは区別して「馬」と主述関係にあること、「うち」は接頭語ではなく鞭打つ、あるいは駆ける、の意を持つ独立した動詞であることを述べる。以上により、ウマ・ウチ・ムレテという詠み調子で「親しい者同士馬を駆り群がって共々に出て見る」と解釈する。"