万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
紀女郎の諧謔的技巧
 論文サブタイトル
「戲奴」をめぐって
 単著/共著
単著
 論者名
井手至
 ふりがな
いでいたる
 発行年月
1961/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
40
 掲載頁
4149
 巻番号
8
 対象歌番号
1460, 1462
 対象歌句番号

 歌作者データ
大伴家持、紀女郎
 参考歌番号
126, 127, 347, 552, 777, 780, 781, 904, 1016, 1295, 1429, 1460, 1461, 1462, 1725, 懐風藻40
 キーワード
大伴家持,紀女郎,大伴田主,石川女郎,贈答歌,用字意識,用字法,表記法,文選,玉臺新詠,遊仙窟,懐風藻
 論文要旨
家持と紀郎女との贈答歌四首(1460〜1462)内の1460、1462番の歌に見られる「戲奴」について論じる。これは、郎女の諧謔的な機知や趣味的な技巧に依るものであるとみ、「わけ」という語は男性の自称相当の謙遜語であったものを、郎女がからかい半分で用いたのであり、また「戲奴」という用字も、家持を風流を解する一人前の男性「遊士(みやびを)」ならぬ者としての意味での用字とする。さらにそこには、大伴田主と石川女郎との贈答(126、127)が念頭あったものと推測し、さらには発想基盤として、中国文化を摂取した貴族的知識・理解が互いの中にあったことによるとする。"