万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
吉備津采女死せる時の歌
 論文サブタイトル
柿本人麻呂論の内
 単著/共著
単著
 論者名
清水克彦
 ふりがな
しみずかつひこ
 発行年月
1962/10
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
45
 掲載頁
1523
 巻番号
2
 対象歌番号
217, 218, 219
 対象歌句番号

 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
1807, 1808, 1809, 1810, 1811, 599, 481, 105, 1241, 1666, 紀24
 キーワード
伝説,露,霧,おほに,人工の詩
 論文要旨
歌中の「吾」が吉備津采女の死を「音」に「聞」いたに過ぎなく、また生前の采女を「おほに見」たことがあったに過ぎないこと、さらにはこの采女が近江朝時代の人物であり、「吾」が人麻呂自身ではないことを指摘。人麻呂と采女が、そのような希薄な関係であったにもかかわらず、当該歌が詩的感銘を与え得るのは、これまで人を濡らすものとしてしか用いられていなかった「露」と「霧」を薄命の美女の比喩として用いたり、「霧」の属性を感じさせる「おほに」という言葉を使うなどし、風流な詩的世界を創り出した人麻呂の表現力によると論じた。"