万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
わが衣人にな着せそ
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
藤原芳男
 ふりがな
ふじはらよしお
 発行年月
1967/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
63
 掲載頁
4955
 巻番号
4
 対象歌番号
577
 対象歌句番号

 歌作者データ
大伴旅人
 参考歌番号
336, 453, 575, 636, 1097, 1539, 2619, 2806, 3013
 キーワード
わが衣,袍,難波をとこ,高安王
 論文要旨
巻4・577番歌は題詞よりその作歌背景を知ることができるものの、歌自体の表現に飛躍があり、歌意が判然としない。諸注釈書で問題とされる「難波をとこ」や「新袍」の解釈について、「袍」は事々しい朝服ではなく旅人の筑紫のがえりの贈り物である綿入れとする説に従い、「わが衣」という語と並べて一首全体に相手への親しみの情の表れた一遍の挨拶歌と考える。また「難波をとこ」を含む句は手に触るに掛けて「ふる(旧)」を導き出すための序詞で、句を割って新袍の「新」と呼応すると指摘する。歌全体の意としては格別戯れの心や、卑下の情などはさらになく、挨拶歌の中に贈り主の温情を汲み取る事ができると解釈する。"