万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
池主の戯歌
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
古屋彰
 ふりがな
ふるやあきら
 発行年月
1967/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
63
 掲載頁
5558
 巻番号
18
 対象歌番号
4128, 4129, 4130, 4131
 対象歌句番号

 歌作者データ
大伴池主
 参考歌番号
3807, 3132, 3133
 キーワード
戯歌,針袋,遊仙窟,玉台新詠,聾瞽指帰
 論文要旨
4128番歌の前文について「表裏不同」は以下の「加言豈有他意乎」によって包の表に何か書き付けてあったと推測されることから、包の表書きと中身との相違を述べていると考える。「何異」の異を「甚(ハナハダシ)」の意とし、「率爾作策歟」の意については遊仙窟、玉題新詠の例と関連づけて「にはかに策を案じたのか」とよみ解いて、表書きと中身の甚だしい相違について送り主の家持が自分(池主)を試そうとしているのかと問返す書簡文と解釈する。「准擬睡覺」という和臭の濃い表記は弘法大師の『聾瞽指帰』序にみえる滑稽物語「睡覺記」への連想が働いたものであると指摘し、「ねむけざましに供する」意と解する。漢籍に通じた池主が知性を活かし、老翁の著者を気取って書き付けた書簡と共に、戯れに細工した包を贈りつけた様相を明らかにする。"