万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
五幡の坂
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
山田弘通
 ふりがな
やまだひろみち
 発行年月
1971/6
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
76
 掲載頁
4754
 巻番号
18
 対象歌番号
4055
 対象歌句番号
4055-1,4055-3
 歌作者データ
大伴家持
 参考歌番号
504, 999, 3011, 3013, 4048, 4085
 キーワード
鹿蒜,掛け詞,鹿蒜道,五幡坂,鴻巣盛広,五幡,越坂,北陸道,ウツロギ峠,井上通泰,沢潟久孝
 論文要旨
4055番歌にみえる鹿蒜、五幡の坂の地理について、五幡の坂が鹿蒜路に属さず、五幡を中心としたいずれかの山坂に考えられるべきであると考察する。他に地名が選べたにもかかわらず、この二つの地名を家持が選び出してきたという点に、この歌の成立に単なる送別歌以上の思惑が込められていたと指摘する。つまり、「鹿蒜み」が「顧り見」と「帰る身」の二重の意味を持たせた掛け詞であり、「五幡」も「何時はた帰る」の意味で用いられたと考える。橘諸兄の使者田辺福麻呂への歓待ぶり、そして送別歌における掛け詞から、一政界人としての家持を見ることができるとする。"