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論文要旨 |
善珠僧正の著した注釈書『因明論疏明灯抄』が注文に引く『捜神記』の逸話について、現行の『捜神記』には含まれぬもので、干宝の著した三十巻本の佚文であることを述べる。これは日本における『捜神記』の受容を知る上で記紀、万葉集の例に比してより確実性のある文献であり、善珠の執筆年代を検討して宝亀十一年頃はじめてもたらされたと考える。また佚文の内容と密接な関係のある文を『捜神記』著者と同じ干宝による別の著書中に見いだし、『因明論疏明灯抄』に見える『捜神記』の文が干宝の筆になる原本『捜神記』佚文であることの裏付とする。"
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