万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
丹生の山と大伴池主の公館
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
黒川総三
 ふりがな
くろかわそうぞう
 発行年月
1974/9
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
85
 掲載頁
1627
 巻番号
19
 対象歌番号
4177, 4178, 4179
 対象歌句番号

 歌作者データ
大伴池主
 参考歌番号
3946, 3988, 4052, 4053, 4054, 4055, 4066, 4067, 4069, 4084, 4175, 4176, 4207, 4208, 4209, 4210, 4239
 キーワード
久米朝臣広縄,谷,谿,霍公鳥,丹生,松田寿男
 論文要旨
家持の越中国府在任期の歌には公館で催された宴席で霍公鳥の初鳴に関して詠んだものが多く残る。館中において霍公鳥の訪れを待つ場や、飛来する経路を描いたこれらの歌を手がかりに、地理的特徴を捉え、大伴池主の公館の位置を明きらかにする。先ず、4207,4209番歌中で使い分けられた「谿」「谷」の字の意味を押さえ、その地勢から霍公鳥の初鳴を聞くのに適した久米広縄の居館を伏木の大塚の地と推定する。次に当該の大伴池主の歌にみえる岡傍、見和ぎし山は、現在の赤坂の地であるとする著者の見解に加え、赤坂の地が朱の産地として古来丹生と呼ばれていたという松田寿男氏の説により、大塚の谿で起伏した赤坂山の特徴をとらえて表現された岡ともいい得る和やかな山が丹生の山に相当し、この地が後に久米広縄の居館となった池主の公館であると述べる。"