万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
令集解「古記」にみえる「魏徴時務策」考
 論文サブタイトル
−大宰府出土木簡をめぐって−
 単著/共著
単著
 論者名
東野治之
 ふりがな
とうのはるゆき
 発行年月
1976/8
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
92
 掲載頁
4056
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号

 キーワード
「魏徴時務策」,大宰府,木簡,奈良時代,平安時代,学問,令集解、令集解「古記」,時務策,対策文,習書,漢風謳歌時代,下級官人,文章経国論,官吏登庸試,模範文例集,魏徴,後二条師道記,三教指帰注,三教指帰,空海,続日本紀,経国集,書生,学問,空海,千字文,文選 
 論文要旨
大宰府の政庁跡で多数発見された木簡には,「魏徴時務策」と記されていた。これは魏徴が作った時務対策文文範集であると考えるのが妥当であると思われる。本書(「魏徴時務策」)は我が国で,対策文のみならず,広く文章の手本として迎えられた。『経国集』や『三教指帰注』に引用がなされ,『後二条師道記』に「時務策」借用の記事はそれを示している。このような性格を持つ「魏徴時務策」の習書が大宰府で発見されたことは,奈良・平安時代の文学・学問の状況を考える上で重要な意義を持つ。即ち,この木簡によって,少なくとも奈良時代後期には漢文の習学が中央のみならず,大宰府の書記あたりを包み込むまでに浸透していたと推定できるからだ。本論文は,大宰府書生の筆に成る「魏徴時務策」の木簡から,漢風謳歌時代へとつながる当時の学・学問の実情の一端を明らかにしている。"