万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
椎の葉に盛る飯
 論文サブタイトル
有間皇子の142番歌の解釈
 単著/共著
単著
 論者名
寺川真知夫(寺川眞知夫)
 ふりがな
てらかわまちお
 発行年月
1975/11
 発表雑誌名
解釈
 特集タイトル

 発行所
解釈学会・教育出版
 発行番号
21巻11号
 掲載頁
610
 巻番号
2
 対象歌番号
142
 対象歌句番号

 歌作者データ
有間皇子
 参考歌番号

 キーワード
道祖神,皇祖神,椎の葉,既定条件
 論文要旨
椎の葉に盛る飯を道祖神に備えるとする説は、椎の葉が道祖神の御供に一般的に用いられるとすると、「家にあれば笥に盛る」の表現は成立しない。また皇子が道祖神を日常的に祭ったとも考えられないから、「家有者」を「家に有れば」と既定条件で読むのも不都合である。自分の食事なら成り立つにしても、食器の不備を嘆くのでは旅の一般的な苦しみの歌でしかない。捕らわれの旅の不自由を加味するならば、むしろ孝徳天皇をはじめとする皇祖神の日常的祭が不如意のために疎かになることを嘆いたと解釈したほうがよいことを論じた。"