万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
雄略天皇と神話的伝承
 論文サブタイトル
当時童男をめぐって
 単著/共著
単著
 論者名
並木宏衛
 ふりがな
なみきひろえ
 発行年月
1969/4
 発表雑誌名
上代文學
 特集タイトル

 発行所
上代文学会
 発行番号
24
 掲載頁
415
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号

 キーワード
古事記,日本書紀,雄略天皇,童男,倭建命,高崎正秀,折口信夫,小さ子,柳田国男,類型,物語化
 論文要旨
目弱王の乱の段における雄略天皇は、古事記では誠に猛々しく粗暴で、「当時童男」であったと前後に矛盾する記載がなされている。これは最も英雄的な熊曾征伐の場面で倭建命が「倭男具那」と名乗っているのと同様に、童姿の者が武勇をふるうという意識で語られたものといえる。しかしそれだけではなく、「童」が神に近い存在であり、神が童の姿で出現するという古代信仰を背景に考えると、これも神の子の物語として描かれたものであり、雄略天皇に付会した神話的伝承であったとわかる。「若武」の御名や伝承の構成においても倭建命の伝承との類似がみられ、雄略天皇の伝承が類型的発想をもって語られたことを示す。"