万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「風をだに」考
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
川村幸次郎
 ふりがな
かわむらこうじろう
 発行年月
1980/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
104
 掲載頁
5461
 巻番号
4
 対象歌番号
489
 対象歌句番号
489-1,489-2
 歌作者データ
鏡王女
 参考歌番号
53, 55, 290, 533, 634, 640, 685, 689, 863, 1175, 1179, 1208, 1468, 1521, 1535, 1561, 1562, 1611, 1623, 1705, 1842, 2151, 2152, 2449, 2983, 3523, 3631, 3658, 3669, 3971, 4371, 4410, 4425
 キーワード
だに,を恋ふ,ともし,秋の風,長谷川信好,大野晋
 論文要旨
巻4・489番歌の初二句「風をだに恋ふるはともし」の解釈について「万葉」第八十八号で長谷川氏が提言した「恋ふるは 風をだにともし」という呼応に異義を唱え、従来の解釈を再確認すべく考察する。動詞「恋ふ」が助詞「を」を受ける例を挙げて破格とはならぬことを指摘、漢文訓読の影響を受けて発達した目的格の「を」が、「に」からの移行を進めていたことの例証であると述べる。また、形容詞「ともし」は主格を表す助詞「は」「が」などを受けることを指摘すると共に、「秋の風」に象徴された情意にも触れて当該句を従来どおり「風をだに恋ふるはーともし」の文構造説を支持する。"