万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「物念」の訓読をめぐって
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
毛利正守
 ふりがな
もうりまさもり
 発行年月
1982/2
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
109
 掲載頁
4657
 巻番号
3
 対象歌番号
296, 602, 613, 1579, 2878, 3305, 3443, 3708, 3732, 3760, 3780, 3781, 3782, 3780, 3784, 3973, 4189, 4425,
 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号
122, 210, 562, 682, 691, 695, 719, 722, 863, 1025, 1302, 1312, 1318, 1436, 1480, 1911, 1964, 2089, 2137, 2176, 2339, 2395, 2527, 2808, 2878, 2932, 2971, 3094, 3189, 3250, 3265, 3542, 3627, 3653, 3664, 3935, 3961, 4241, 4327, 4463,
 キーワード
字余り,単語結合体,単語連続,縮約現象,脱落現象,「物念」の訓,結合度,
 論文要旨
万葉集の「物念」の訓読については、従来「モノオモフ」と訓む場合と「モノモフ」と訓む場合とが混用されている。しかしながら、仮名書きで確認できる「もの思ふ」の例は、aグル−プ、bグループのいずれにおいても「モノモフ」であり、「モノオモフ」はみられない。また、「モノ」という語はその後に続く語と結合しやすく、字余りを生じる場合が多い、その点については「オモフ」もまた他の語に比して結合しやすく、字余りを生じやすい語である。したがって、「モノ」と「オモフ」との連接においては結合度が高いことが考えられる。音節・音素の縮約・脱落現象は結合度の高さと関係するから、この場合、「モノモフ」が生じると考えられる。これらのことから、「物念」は「モノモフ」と訓まれてよいと考えられる。また、上記のことに関連して、短歌結句の字余りについてのいくつかの問題点と、「動詞・助動詞の連体形+単独母音」では字余りを生じないことについても言及する。"