万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
「竹溪の山は冲冲」續貂
 論文サブタイトル

 単著/共著
単著
 論者名
小島憲之
 ふりがな
こじまのりゆき
 発行年月
1991/7
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
139
 掲載頁
4954
 巻番号

 対象歌番号

 対象歌句番号

 歌作者データ

 参考歌番号

 キーワード
冲冲,冲,沖,井上薫,諸橋轍次,大漢和辞典,釈道慈,五言初春在竹渓山寺於長王宅宴追致辞一首并序,釈清潭,沢田總清,世良亮一,杉本行夫,林古溪,楜沢龍吉,漢月
 論文要旨
大系『懐風藻』の注を批判した井上薫氏「竹溪の山は冲冲」の説を検討する。井上説は、長屋王宅址出土の木簡墨書銘「都D67150氷室」により竹溪に氷室が営まれていたことを踏まえ、『大漢和』の「氷を割る音」を勘案し、「冲冲」は氷に関する語と解する。しかし、詩句の文脈は「雪が冷冷」に対して「山が冲冲」であり、山の状態が「冲冲」であると指摘し、「山冲冲」は山が空虚で人気のなく、更にその深さを兼ね合わせた感じに解すべきことを説く。また、著者が『大漢和』に見えない注をほどこしたと批判する井上説に対し、「冲冲」や「冲黙」「漢月」に対する『大漢和』の注の誤りを指摘し、辞典の不備とそれを金科玉条とみなす思考を批判する。"