万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
人麻呂挽歌の一考察
 論文サブタイトル
石中の死人を見る歌
 単著/共著
単著
 論者名
三田誠司
 ふりがな
みたせいじ
 発行年月
1992/4
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
142
 掲載頁
2137
 巻番号
2
 対象歌番号
220, 221, 222
 対象歌句番号

 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
131, 135, 138, 194, 207, 210, 213, 217, 415, 421, 426, 794, 886, 904, 958, 1004, 1036, 1663, 1692, 1800, 1879, 2004, 2844, 3312, 3335, 3336, 3337, 3338, 3339, 3340, 3341, 3342, 3343, 3428, 3467, 3521, 3530, 3688, 3689, 3691, 3693, 3771, 3962, 3978, 記3, 紀102
 キーワード
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 論文要旨
人麻呂・石中死人歌の特殊性を考えるにあたって、第二反歌の「寝せる」という語を中心に考察を行い、この「寝せる」が、上接する四句と共に現実には存在しない妻に対する死人の心情を一首に呼び込み、孤独な旅人としての死人の姿を強調するために大きな意味を持つ表現となっていることを明かにした。また、長歌後半部・第一反歌においても、死人の妻を積極的に歌中に呼び込む姿勢が見られることを示し、人麻呂は死人の「死」そのものを嘆くよりも、死人が妻と離れており、しかも二度と逢えないという事実を嘆くことに重心を置いていると論じる。さらに、長歌前半部の叙述が、死人を主観的に見る存在としての「我」を作品中に据えることを可能しており、当該歌群の独自性を支えていることを究明した。"