万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
赤人作歌一首の疑義を質す
 論文サブタイトル
騎射行事の成立と展開を通じて
 単著/共著
単著
 論者名
井村哲夫
 ふりがな
いむらてつお
 発行年月
1994/2
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
149
 掲載頁
1633
 巻番号
6
 対象歌番号
1001
 対象歌句番号

 歌作者データ
山部赤人
 参考歌番号
42, 926, 927, 941, 997, 998, 999, 1000, 1001, 1002, 1696, 4456
 キーワード
山部赤人,聖武天皇,続日本紀,天平六年,行幸,難波宮,住吉浜,宮廷行事,騎射行事,狩猟,薬猟
 論文要旨
赤人作の1001番の歌は大夫は「御D20723」に立ち、をとめ達は浜辺で赤裳の裾を引くとそれぞれの様子が詠まれる。従来、これは山野の狩りの場面と浜辺の散策の場面とを概念的に組み合わせた歌と解されてきた。それに対し、大夫の「御D20723」を大陸から伝来した六芸の一つの「射(騎射)」と解すべきと論じる。日本での天皇観閲の騎射行事は天武朝に確認でき、以後様々な形で催され、時には熱狂し過ぎたことをもって禁令が出されることもあったと指摘する。これは聖武天皇の御代にも確認でき、また、この難波宮行幸の天平六年当時、聖武帝は殺生を禁じており、実際の狩猟を行ったとも考えられず、これは浜辺で行われた騎射行事を「御D20723」といい、その浜を散策するをとめ達の姿を併せて詠んだ歌と解すべきとする。"