万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
香具山宮と城上宮
 論文サブタイトル
「殯宮之時」挽歌と殯宮設営地
 単著/共著
単著
 論者名
上野誠
 ふりがな
うえのまこと
 発行年月
1995/11
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
155
 掲載頁
2033
 巻番号
2
 対象歌番号
199
 対象歌句番号

 歌作者データ
柿本人麻呂
 参考歌番号
199, 196, 201
 キーワード
「殯宮之時」,殯宮設営地,香具山宮,城上宮,飛鳥,藤原,埴安池,高市皇子,長屋王邸宅出土木簡,明日香皇女,離宮,挽歌史,島宮,御名部内親王
 論文要旨
柿本人麻呂の高市皇子挽歌に登場する香具山宮と城上殯宮との関係を分析した論文である。ことに、殯宮の設営地の性格、殯宮の設営地選定の理由について、長屋王邸宅出土木簡の資料を用いて考察を行なっている。まず、香具山宮についてその場所を考察、香具山の西麓に求めている。次に折口信夫以来の城上殯宮飛鳥説を、近時の歴史学の成果から批判。さらに、長屋王邸宅出土木簡に登場する「木上司」が、殯宮が設けられたことを論じている。つまり、後の長屋王時代には木上司がおかれた離宮において、高市皇子の殯宮儀礼が行なわれた、と推定している。そして、それと同じ場所で明日香皇女の殯宮が営まれたのは、明日香皇女と姉妹の関係にある御名部内親王との縁からであるとする。高市皇子の妃である御名部内親王が、城上離宮を管理していたと推定して、そういった縁から、明日香皇女の殯宮も城上で営まれたと結論付けている。なお、本論文は上野誠『古代日本の文芸空間−万葉と葬送儀礼』(雄山閣出版、1997・11・5)に所 収されている。"