万葉集主要論文所収歌句データベース(試作)


 論文タイトル
月と湖との照応
 論文サブタイトル
万葉集八番「熟田津」歌考
 単著/共著
単著
 論者名
八木孝昌
 ふりがな
やぎたかまさ
 発行年月
1996/9
 発表雑誌名
萬葉
 特集タイトル

 発行所
萬葉学会
 発行番号
159
 掲載頁
5068
 巻番号
1
 対象歌番号
8
 対象歌句番号

 歌作者データ
額田王
 参考歌番号
196, 3324, 3599
 キーワード
熟田津,月,満月,潮,潮流,潮待ち,夜の船出,紀,御船,西征,斉明天皇,中大兄,暦,古天文学,斉藤国治,土橋寛,伊藤博,直木孝次郎,吉井嚴,村上可卿,益田勝実,中西進,栄原永遠男,潮汐表,広島湾及安芸灘潮流図,海上保安庁水路部,芸州灘の地乗り,伊予路沖乗り,三津浜,由利島,屋代島,家
 論文要旨
巻1の8番で夜の船出が選択された理由を考察する。熟田津出航日を斉明7年3月15日の満月の日と推定した上で、従来の諸説を批判的に検証し、歌中の「月」と「潮」が何を指すかを明らかにするとともに、出航時刻を船団の次の目的地の方向に潮の流れが変わる午後11時頃に推定する。次に、娜大津に向かう当時の瀬戸内航路の検討から、熟田津を西向き潮流で出航した船は、潮流が逆方向になる時間帯を待機する「潮待ち」に由利島を利用して、屋代島の家室に向かったと推定する。家室に日暮までに安全に到着するためには、前日の夜間に出航しておく必要があったことを推定航路の分析によって検証し、もって「夜の船出」の必然性を明らかにする。"